再生可能エネルギーって知ってますか?再エネとも呼ばれて、利用しても再生するため資源がなくならずに、何度もくりかえして使うことのできるエネルギーです。
最近よく耳にしますよね。でも、再生可能エネルギーにはどんな種類があるのか何とよくわからないって人も多いのではないでしょうか?
この記事では再生可能エネルギーの種類について親子で学べるように簡単に説明したいと思います。
- 太陽光発電
- 風力発電所
- 水力発電
- 地熱発電
- バイオマス発電
- 太陽熱利用
- 温度差熱利用
- 雪氷熱利用
- 地中熱利用
この記事は親子で学べるように表現をこども向けにしている箇所があります。
再エネの定義
![えこねこ](https://ikujigoto.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_0344-150x150.png)
再エネって何か決められたものはあるのかにゃ?
再生可能エネルギーは「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」(エネルギー供給構造高度化法)において、次のとおり定義されています。
太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの
政令において定めているものは次のとおりです。
太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマス
太陽光発電
太陽光発電とは、太陽の光を使って電気を作る方法です。
太陽の中心では「核融合反応」という反応が起こっていてそれによって生まれるエネルギーが太陽光となり地球まで届きます。
太陽光発電は「ソーラーパネル」と呼ばれる機器を使って、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換して電気を作ります。ソーラーパネルは、「太陽電池」という特別な部品でできています。太陽電池に太陽の光が当たると、「電子」というマイナスの性質を持つものが動き出します。この電子の動きが電気の流れを作り出し、それが電気エネルギーになるのです。
近年、台風や地震などの自然災害によって大規模な停電が発生しています。 停電のときでも、太陽光発電があれば、日中は電気を使うことができます。さらに、蓄電池と組み合わせると、昼間に太陽光で発電した電気をためて、夜に使うこともできます。
人工衛星にはたくさんの太陽電池がついています。太陽電池は、太陽の光を受けると電気を作ります。この電気を使って、人工衛星の中で必要な電気を作っています。太陽電池は地球上の太陽電池とは違って、宇宙空間で使うために特別に作られています。太陽電池は、宇宙空間で使うためにとても丈夫で、長持ちするように作られています。
風力発電
風力発電とは風のチカラで風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こす方法です。
風は世界中どこでも吹いているので、原料不足になる心配はありません。風が強い山の上や海岸、海上などに風車を設置すれば、より多くの電気をつくることができます。
最近は陸上だけでなく、海上に設置する洋上風力発電の取組みがはじまっています。風の強さが「2倍」になると生み出せる電気の量はなんと「8倍」になります。つまり、風が強く吹くところではより大きなエネルギーが得られます。
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P:風力エネルギー (W) m:空気質量 (kg) ρ:空気密度 (kg/m3) V:風速 (m/s) A:受風面積 (m2) D:ローター径 (m)(風車回転部の直径)
陸上風力発電
陸上で行う風力発電を「陸上風力発電」と呼びます。大きいものになると、風車の大きさは大型旅客機と同じくらいになります。
風車が回転する速度は一見するとゆっくり回っているように見えるかもしれませんが、実は先端部分で時速250kmを超え、新幹線並みのスピードで回転し続けています。
洋上風力発電
周りを海にかこまれた島国の日本では、海の上に風車を立てる「洋上風力発電」が注目されています。海の上は、陸の上よりも風が強いところが多く、また、船を使った大規模輸送により、 大型の風車を立てることができます。
洋上風力には「着床式」と「浮体式」の2種類があります。
着床式洋上風力発電
「着床式洋上風力発電」とは、海底に風車の基礎をしっかりと固定して風車を設置する方法です。
これは、海の底に風車の足(基礎)をしっかりと埋め込んで、風車がぐらつかないようにする方法です。この方法は、一般的に水深50m~60m程度のそれほど深くない海域でよく使われます。
風車がしっかりと固定されているので、安定して電気を作ることができます。ただし、海の底に風車の足をしっかりと固定するため、設置には時間とコストがかかります。
また、水深が深い場所では、この方法で風車を設置するのは難しいです。
浮体式洋上風力発電
「浮体式洋上風力発電」とは、海に浮かぶ装置(これを「浮体」と呼びます)に風車を取り付けて、風の力で電気を作る方法です。
この方法は、海の底に風車の足(基礎)をしっかりと埋め込む必要がないので、深い海でも風力発電を行うことができます。
浮体式洋上風力発電のすごいところは、風車が風の方向に対して自在に向きを変えることができるため、風の力をより効率的に利用することができる点です。
水力発電
エネルギー源は河川です。河川などの高低差(流れ)を利用して水を落下させ、 その時のエネルギーで水車を回し発電する方法です。
川の流れる勢いは大抵いつも同じなので、昼でも夜でも、晴でも雨でも発電できます。日本はたくさん雨が降りますし、山も多いため、大きな川から細くて急な川もたくさんあり、水力発電が利用しやすい環境にあります。
また、最近は、農業用水路や上水道施設などでも発電できる中小規模のものも活用されている。
日本初の水力発電所は蹴上発電所です。京都市の左京区にある発電所で、関西電力が管理しています。この発電所は、琵琶湖から京都へ水を運ぶ「琵琶湖疏水」を利用した水力発電所です。1891年(明治24年)に運転を開始し、日本で最初の事業用水力発電所となりました。この発電所で作られた電気は、近くの蹴上インクライン(斜面を上るための装置)の動力源として使われ、また、1895年に開通した京都電気鉄道でも使われました。1912年に完成した第2期蹴上発電所の建物が保存されおり、第3期蹴上発電所は現在も稼働しています。そして、現在も水力発電を行っています。蹴上発電所は、その歴史的な価値から、2016年に世界的な電気・電子技術の専門家組織であるIEEEから、「IEEEマイルストーン」に認定されました。
世界最大の水力発電所は、中国の「三峡ダム」です。三峡ダムは、長江をせき止めて作られたダムで、三峡ダムは、中国の湖北省宜昌市夷陵区三斗坪に位置する世界最大の水力発電所で、発電能力は2,250万kW以上あります. これは日本の家庭の電力に換算すると、約75,000世帯分に相当します。
地熱発電
エネルギー源は「地下蒸気(熱水)です。地下にたくわえられた地熱エネルギーを蒸気や熱水などで取り出し、タービンを回して発電する方法です。
大地の下のマグマにより地下水が熱せられて地熱エネルギーが生まれます。つまり、地熱エネルギーを取り出せるのは、火山の近くです。世界中には活火山がおよそ1500ありますが、そのうち100以上が日本にあります。
地熱エネルギーは大地の地下深くにあり、深いものだと3000m位まで堀らないと地熱エネルギーにたどり着きません。
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バイオマス発電
木材や動植物などの生物資源(バイオマス)をエネルギー源として発電する方法です。
木くずや建築廃材、 牛などの動物のフン、食品の生ごみなど、未活用の廃棄物を燃料とするため、これまでゴミとして捨てるしかなく、お金をかけて処分していたものが有効に使えます。
また、廃棄物の再利用や減少につながり、 循環型社会貢献への大きな力となる。植物は育てれば次々に生まれ、人は必ずものを食べるし、動物も必ずフンをするため、どんなに使ってもバイオマスの原料はなくなりません。
- 建築廃材
- 農業残渣
- 食品加工残渣
- 家畜排せつ物
- 倒木
- 木質チップ
建築廃材
建築廃材を利用したバイオマス発電は、建築現場で出る木材や、建物の解体時に出る木材、製材に適さない材、森林に放置されてきた間伐材などの未利用木材を燃料として利用します。このように、廃棄物を再利用することで、環境にやさしい発電方法となります。
また、建築廃材を利用することで、廃棄物の処理にかかるコストを削減することができます。
農業残渣(のうぎょうざんさ)
農業残渣を利用したバイオマス発電は、農業で出る残渣(ざんさ)を燃料として利用して電気を作る発電方法です。
農業残渣とは、例えば、稲わらやトウモロコシの茎、枝、葉などの植物の部位、家畜の排泄物、食品加工の残渣など、農業に関する様々なもののことです。
農業残渣を燃料として利用することで、環境にやさしい発電方法となります。農業残渣を利用することで、廃棄物の処理にかかるコストを削減することができます。
食品加工残渣(しょくひんかこうざんさ)
食品加工残渣を利用したバイオマス発電では、食品加工の際に出る残渣(ざんさ)を燃料として利用します。
例えば、野菜や果物の皮、種、骨、肉や魚の骨、卵の殻、コーヒーのかすなどがあります。これらの残渣を燃料として利用することで、環境にやさしい発電方法となります。
家畜排せつ物
家畜排せつ物を利用したバイオマス発電では、家畜の排せつ物を燃料として利用します。家畜の排せつ物には、牛や豚、鶏などのふんや、飼料の残りカスなどがあります。
これらの排せつ物を燃料として利用することで、環境にやさしい発電方法となります。
倒木
倒木を利用したバイオマス発電は、森林伐採や林業の際に出る倒木を燃料として利用します。
このように、廃棄物を再利用することで、環境にやさしい発電方法となります。
木質チップ
バイオマス発電とは、動植物などから得られる生物資源を使って電気を作る発電方法です。
木質チップを利用したバイオマス発電では、木材を細かく砕いたものを燃料として利用します。木質チップは、木材を加工する際に出る端材や、枝、葉、樹皮などを細かく砕いたものです。
木質チップを燃料として利用することで、環境にやさしい発電方法となります。
木材や建築廃材をチップやペレットにして燃やすと二酸化炭素がでます。ですが、バイオマス発電の原料は二酸化炭素を吸収して育つため、打ち消しあって実質ゼロと言われています。
太陽熱利用
太陽熱利用は太陽の熱を使って温水や温風を作り、給湯や冷暖房に利用する方法です。
国内で最も普及しているのは、戸建住宅用太陽熱温水器ですが、ホテル、病院、福祉施設など業務用建物でも使用されています。
温度差熱利用
海や河川の水は、年間を通じて温度の変動が小さく、夏期は大気よりも冷たく、冬期は大気よりも暖かく保たれています。この外気との温度差を利用しエネルギーを得る方法を、温度差熱利用といいます。
この温度差によるエネルギーにより、ヒートポンプおよび熱交換器で冷水や温水をつくり、供給導管を通じて地域の冷暖房や給湯に利用されます。
熱源の温度は、温泉などの高温から地下水、河川水、下水、地中熱などの低温度まで様々です。温泉の熱湯などは、そのまま暖房などの熱源として利用できますが、海水・河川水・下水などそのまま熱源として利用する温度が低いものは、ヒートポンプを利用して必要な温度に調整して活用されています。
雪氷熱利用
雪氷熱利用は、冬期に降り積もった雪や、冷たい外気により凍結した氷などを、冷熱を必要とする季節まで保管し、冷熱源としてその冷気や溶けた冷水をビルの冷房や、農作物の冷蔵などに利用するものです。
季節をまたいで冷熱を確保するため、断熱性の優れた大きな容量の雪氷貯蔵施設が必要となります。そのため初期投資に多大な施設費のほか、毎年雪を運び込む費用が必要となりますが、CO2排出量を削減することができます。
地中熱利用
地下十数メートル以深の地中温度は地表の気温変化の影響を受けにくく、おおむね一定に保たれています。この熱エネルギーを「地中熱」と呼んでいます。
これは建物の冷暖房などに利用されています。地中に穴を掘り、そこに熱交換器を入れ、ヒートポンプによって、地上の外気温が高い(暑い)季節には、屋内の熱を地中に運んで排熱、冷房し、逆に外気温が低い(寒い)季節には、地中の熱を屋内に運んで暖房します。
地中と地上の温度差を利用するため、無駄がなく、省エネ効果が非常に高い技術です。日本ではまだ普及が進んでいませんが、再生可能エネルギーの一つとして期待されています。
まとめ
再生可能エネルギーは、環境に優しく持続可能なエネルギー供給を実現するための重要な手段です。今回紹介した再生可能エネルギーは、化石燃料に比べて二酸化炭素の排出が少なく、気候変動の抑制に寄与します。また、エネルギーの持続可能な供給を確保し、資源の過剰な消費を抑制する役割も果たしています。
環境への配慮や気候変動への対策がますます重要となる中、再生可能エネルギーの採用は不可欠です。これによって、豊かな未来の構築に寄与し、地球環境の保護に一翼を担うことが期待されます。持続可能な社会を目指し、再生可能エネルギーの導入と普及を積極的に進めることが重要です。